第50回「法の日」週間記念行事 法の日フェスタ①
10月3日(土)14:00~16:00、最高裁判所を会場に最高裁判所・法務省・最高検察庁・日本弁護士連合会の共催で「法の日フェスタ ~親子大歓迎!みんなで知ろう!裁判員制度~」が開かれました。先着200名の募集で、当日は雨模様の天気にもかかわらず、多くの家族連れや若い人達の姿が見られました。
プログラム
1 最高裁判所制作アニメーション「ぼくらの裁判員物語」の上映
2 裁判官・検察官・弁護士による仕事や裁判員制度についてのお話
3 大法廷見学
4 自由時間(写真撮影やクイズなど)
5 大法廷に集合(クイズの答え合わせなど)
1 「ぼくらの裁判員物語」アニメ上映
男子高校生の主人公が、憧れの女子生徒の追っかけをするうちに、彼女が裁判官を目指していることを知って、裁判員制度に興味を持つようになるストーリーです。裁判学習がほほえましい展開の下に進められます。
2 裁判官・検察官・弁護士によるトークショー形式のお話
出演者 丸山哲巳判事 東京地方裁判所、任官13年目
望月栄里子検事 東京地方検察庁、任官12年目
宮村啓太弁護士 第二東京弁護士会、弁護士登録7年目
司会 法務省 村木康弘氏
イベント参加者からあらかじめお寄せいただいた質問などに、裁判官・検察官・弁護士がお答えしながら進行しました。
①普段の仕事と、仕事の魅力
裁判官:「仕事は法廷に立ち会うほか、判事室で調べものをしたり、打ち合わせをしたりします。仕事の魅力は、自分で審理を担当し、同僚と審議したりして、自分の良心に従って最後に結論を出せることです。悩んだり苦労したりしたものほど充実感があり、自分も成長したと思えます。」
検察官:「証拠を見ながら1つ1つ推理を働かせ、また証拠を集めて事実を解明していくのが醍醐味です。また、社会の中で悪いことは悪いということをはっきり言えるのが魅力です。悪いことをした人には反省してほしいですし、みんなが安心して暮らせる社会になるためにも必要なことだと思います。」
弁護士:「人々が弁護士に相談するのは人生の非常に困難な局面においてですが、いろいろな局面を依頼者と一緒に乗り越え、その喜びを分かち合っていくことが魅力です。」
②今の仕事を選んだ理由
弁護士:「大学の法学部で学んだことを社会に役立てたいと思いました。司法試験に合格し、司法修習中に見た弁護士の姿に魅力を感じ、選びました。」
裁判官:「自分も司法修習中に、裁判官は何のしがらみにも縛られずに、自分の良心に従って、自分の自由な考えでできる仕事だと思い、選びました。修習中に見た先輩の姿も素晴らしかったので。」
検察官:「私はお二人とは違い、検察官になりたくて司法試験を受けました。推理を働かせて証拠を集めるのは面白そうだと思いました。もう一つは、人間への興味からです。人間は、弱さ・マイナスの感情が原因となって犯罪を犯しますが、それを敢えて追求したいと思いました。」
③仕事で印象に残った出来事
検察官:「男子中学生が被害にあった事件で、犯人が否認して事実を争ったため、中学生に証言をお願いすることになりました。彼にとっては質問されるのも証言するのもとてもつらいことだったと思われ、私も申し訳ない気持ちでいっぱいでした。事件の途中で転勤することになってしまった際、中学生から手紙をもらい、将来刑事か検察官になりたいと書いてあったので、救われる思いがしました。なお、彼の証言は裁判官にも信用され、犯人は有罪になりました。」
弁護士:「被告人から出所後などに、次のステップで頑張っているという報告をもらうとき、報われた思いがします。」
裁判官:「家庭裁判所にいたとき、離婚調停を扱ったことがあります。調停委員・調査官とともに子どもの処遇を調整し、合意で終わらせることができて、両方の当事者から感謝されたことが嬉しかったです。」
トークショー後半は裁判員裁判についてです。
「第50回「法の日」週間記念行事 法の日フェスタ②」へ続く。
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